鯛牙(たいき)。
文字通り、魚の鯛の牙(歯)。
当然食べられない。
これが何の役に立つのか。
答えはこれだ。
金継ぎ。
きんつぎは、割れや欠け、ヒビなどが入った食器の破損部分を漆で接着し、金や銀などの金属粉で装飾して仕上げる修復技法。大切な器を修復して永く使うことが出来、また修復痕が模様のように、芸術性も備えた日本古来の伝統技術。
この工程の最終仕上げとして、金を磨き光沢を出す作業に、この鯛牙が使われる。
金継ぎは、妻が昨年から講習に通い、修得中。
削ったりする道具は購入できるが、この鯛牙だけは講師から借りて作業している。というか、売ってない。
GWの四国旅行で子供が見事釣り上げた真鯛(53cm)の牙が使えそうだということで、牙を取っておいた。
これに柄をつけて磨き棒を作成した。
どんな歯でも良いわけでなく、程よいカーブと大きさが必要だが、三本ぐらい候補が採れた。
柄は、竹の箸を利用。
歯は内側が空洞になっていて、これを利用して固定してみよう。
まずは箸を加工。
大きさが合ったら、ボンドで固定。確実に着くよう、エポキシの二液混合がいいだろう。
まぁうまくはまった。
乾いたら、糸で装飾。強度的には必要ないだろうけど、かっこよさも必要だ。
フライフィッシングのタイイング道具が役に立つ。
糸を巻いたらさらにエポキシボンドを薄く塗ってコーティング。
完成だ。
もう一つも作ってみた。
さて使用感は?
んー、光る。左が磨き後、右が磨き前。
磨くのに力は入れないのだとか。
なかなか、子供が釣った鯛の鯛牙を夫が加工して、妻が使用するという事は珍しいだろう。
家族の共同作業で、役に立つ道具が出来たかな。